認知症ケアにおける自己表現モデルに基づく協調学習環境デザイン
Sep 1, 2018·,,,,,,,,,,,·
0 min read
小俣 敦士
松井 佑樹
石川 翔吾
桐山 伸也
宗形 初枝
中野目 あゆみ
香山 壮太
島野 光正
原 寿夫
坂根 裕
本田 美和子
竹林 洋一
Abstract
本発表では個性に基づくケアの実践に向けて,認知症高齢者の自己表現モデルに基づく協調学習環境デザインについて述べる.発表者らは,「認知症は個性である」と考え,人工知能学・情報学のアプローチから,認知症になっても笑顔で安心して暮らせる社会の実現を目指している.郡山市医療介護病院では,ケアの実践映像を用いた組織学習を進めており,認知症ケアの実践と学習のデータを継続的に収集できる環境を構築している.また,これまでの実践的研究により,映像を用いた協調学習がケアスタッフの認知症ケアスキル向上に繋がることを示してきた.一方で,認知症のある人と関係性を築き生活の自由を回復するためには,ケアスキルを向上させるだけでなく,認知症高齢者自身の個性や望みといった情報を元に,その人の「回復を目指す」支援について組織や地域全体で考えることが重要であることがわかってきた.加齢とともに認知機能や身体機能は持続的に低下し,認知症の状態になると,環境の変化や心的状況などにより症状の状態は変化するが,その人の長年の人生で形成される生活歴や,他者との関係性,嗜好および嫌いなもの,欲求や目標などの自己に関する情報はケアに活用できる.そこで,認知症高齢者本人に関する様々な情報を元に,複数の観点からその人の自己を表現する自己表現モデルを設計した.そして,協調学習の枠組みの中で,個性情報の収集および自己表現モデルへの適用と実践を行った.その結果,自己表現モデルに基づく協調学習環境が認知症高齢者本人の生活を支援するために有用であることが示唆された.なお,本研究は静岡大学倫理委員会の承認を得て実施された.
Type
Publication
みんなの認知症情報学会 第1回年次大会